アルミパネル洗浄時の注意点
国内では1960年代に産声をあげたアルミカーテンウォールは建築外装材として脚光を浴び、以来都心のみならず様々な街の建築物に使用されるようになりました。
なので、現在残っている既設建築物のアルミはかなり古いものも少なくありません。
現在、アルミ外装の洗浄を依頼されるとその大半は数十年前に竣工された建物が多く、そうなると当時からのメンテナンス履歴もわからないものが非常に多いんです。
僕らは、建物の洗浄依頼があったとき、過去にどのようなメンテナンスや修復が行われていたか情報収集しようにも何もない中で、僕らが蓄積した過去の経験値から手探りで作業を進めなければなりません。
今回はそんなアルミカーテンウォールの中に隠された注意点をお話ししようと思います。
“事例1”
竣工より30数年が経過した建物の改修工事に参加した時のものです。
建物外部は可搬型ゴンドラとロープアクセスで作業を行い…、
ベランダのアルミ笠木(複合被膜)をクリーニング中に
何故か…、
こんな模様がでてきたのでした?
どうやら、竣工時に何らかのことで傷めてしまった部分をパテで補修した跡のようです。
こうなると洗浄やコーティングで修復できるわけがなく、現場管理者の方々に報告したところ、調色に優れた腕の良い塗装屋さんに修復を依頼するということで一件落着です。
改修工事ということもあり、いろんな分野の職人さんが参加しているわけで、塗装修復は専門家にお任せして僕らは洗浄作業を進めることができました。
“事例2”
事例1とは別件ですが、やはり30数年が経過したかなり劣化の激しい複合被膜の洗浄中のことです。
このパネル1枚だけ何故か表面が黄化しているので、表面を研磨していると、内部はシルバーアルマイトではなく、こんな状態を呈していました。
やはり黄化していたのは塗装のようで、過去にこの部分だけ塗装で修復を行った跡だということがわかりました。
こうなると、修復はフィルムを貼るか、塗装で処置するしか方法はありません。
アルミ外装の洗浄に携わる同業の皆さん、アルミにはいろんなトラブルが隠れています。
じゅうぶん慎重に進めなければなりませんよね。
日本が高度成長期からバブル崩壊までの歴史の中で、多く使われてきたアルミパネルです。
その意匠性には目を見張るものがありました。僕らにとってはとても感慨深く、大好きな建材の一つです。
残念なことに数十年が経過した建物には、はっきりとしたメンテナンス履歴が残っていないのが現状です。
だから施工前にじゅうぶんな調査を行うことが肝要です。 だけど肝要といっても殆んど情報がないので、結局は手探りで作業を進めなければならないのですが…、
というわけで、今回はここまで、
これからもアルミ建材のメンテナンス法を究めていくTECにご期待ください。
また次回お会いしましょう。デハデハ
Don’tmiss it!
(投稿者:M.H)
東京外装メンテナンス協同組合
03-5817-6977