東京労働局のホームページに掲載されている「作業及び作業場所に潜在するリスクを発見」とあるように、厚生労働省はこのリスク(危険性や有害性によって損害を受ける可能性)アセスメント(評価する)の重要性を説いています。
リスクアセスメントにおける安全対策の優先順位はご存知のとおり、
① 本質安全化対策
② 安全防護対策
③ 管理的対策
④ 保護具使用対策
となり、今回は②の安全防護対策実例の紹介です。
イラストの危険性や有害性となるライオン(=危険な作業環境)を檻に入れる(=安全な作業環境)に変えることを検討する。
~以下、2例ともロープ高所(ブランコ)作業時の建物屋上の作業環境~
左の写真事例。作業者は、手すりを乗り越えた建物笠木(パラペット)上での移動を強いられます。ここで、足を滑らせてしまったら………?右の写真事例。作業者は、建物屋上から階下に降りるはしごを通らなければなりません。階下のそのスペースは、約1.5m幅しかありません。ここで、手を滑らせたり、足を踏み外してしまったら………?
問題は、こういった箇所での作業者の墜落防止措置。双方とも、作業者の危険な作業動線(ライオン)を安全な作業動線(檻に入れる=水平親綱や垂直親綱の設置)に改善し、墜落制止用器具(フルハーネス)ランヤードのフックを水平親綱に連結する。または、フルハーネスに連結した墜落阻止器具を垂直親綱に接続する。注:常設の両親綱は雨ざらしのため、毎年張り替えが必要!
ご存じのように、ロープ高所(ブランコ)作業の手順は、建物笠木(パラペット)周辺でメインロープとライフラインの設置と移設を繰り返しています。以下の資料も、東京労働局のホームページから抜粋していますが、作業者の安全な作業環境は、上記の水平親綱や垂直親綱の使用のみならず、
・屋上笠木(パラペット)付近のメインロープやライフラインに輪(ループ)を施し、フルハーネスのランヤードフックを連結する。
・ライフラインとフルハーネスを墜落阻止器具で、接続する。
・屋上丸環や堅固な手すりに、フルハーネスのランヤードフックを連結する。
・屋上支持物に取り付けた屋上笠木(パラペット)まで届かない別のロープ(メインロープやライフラインの屋上で余っているロープ余端使用も可)を使用、フルハーネスのランヤードフックを連結し、作業者が危険箇所となる笠木より先に行けない作業環境にする。
*Restraint(レストレイン) System(システム)=危険箇所への接近防止
当組合では、ロープ高所作業において義務化された、“調査記録”や“作業計画”の作成代行業務や、講師出張規程に基づいた高所作業における安全教育講習会を開催しています。
ご用命は、組合までご連絡ください。
~ご安全に~
(投稿者:H.O)
東京外装メンテナンス協同組合
03-5817-6977